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【錆び観察レポート】4か月目の状態

2025.09.22


鉄の素材感を活かしたプランタースタンドが、時間の経過とともにどのように表情を変えるのか…。
その経年変化を観察するため、東大阪の工場街にある弊社倉庫でしばらくの間、放置することにしました。
ゆっくりとエイジングしていく様子を月に1回程度、定期的に観察して報告致します。


錆びを育てる実験をしてみた

開梱から2か月目の時点で、梅雨を越したにも関わらず錆びの進行が緩やかだったため、あえて錆びを促進させるための実験を行いました。霧吹きを使って、プランタースタンドに2種類の水を噴霧し、その後の変化を観察しました。


噴霧した2種類の水
①雨を想定した水(水道水)
②海水を想定した水(水道水に3.5%の塩を混ぜたもの
)


2種類の水による変化を見るため、プランタースタンドの半分は何もしないままにしておき、プランターと脚部分含めて、全体の1/4部分に塩水をかけ、飛び散った塩水を拭き取ってから、別の1/4に水道水をかけ、この状態でしばらく放置しました。

2か月後に現れた変化

真夏の暑い時期に噴霧したため、水分がすぐに蒸発して変化はあまり期待できないかと思っていました。
ところが、1か月後から目に見えて錆びが浮いてくるのが確認できました。研磨して錆びを拭き取ることも出来そうでしたが、ここはあえて放置して錆びの進行をみることにしました。
そして2か月後、見事な錆びが発生していました。

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塩分で進む「エイジング感」

塩水をかけた箇所には、写真のようにたくさんの錆びが集中して発生しています。一方、水道水をかけた箇所にもポツポツと錆びが見られました。

脚部でも同様に、塩水をかけたエリアで数か所の錆びが発生し茶色くなっており、水道水をかけたところはところどころ錆びが浮いてきている状態です。一方、何もかけていない箇所は、2か月前からほとんど変化が感じられませんでした。
この結果から、錆びの進行には「水」が不可欠であり、特に「塩分」が大きく影響することがわかります。

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まとめ

今回の実験で、湿気の多い倉庫で梅雨と夏を越しても、水がかからなければ腐食の進行は非常にゆっくりであることが分かりました。

一方で、意図的に錆びを「育てたい」場合は、塩水をかけることでより早くエイジング感のあるかっこいい錆びを作ることができます。もちろん、何もしないでゆっくりと長い時間をかけて、自然な経年変化を楽しむのも良いでしょう。

本物の鉄でできたプランタースタンドだからこそ、時間の流れを操ってさまざまな錆びの表情を楽しむことができます。ぜひあなただけの「錆び育」に挑戦してみてください。

左が2か月前、右が現在
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