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【錆び観察レポート】10か月目の状態

2026.05.20

鉄の素材感を活かしたプランタースタンドが、時間の経過とともにどのように表情を変えるのか…。
その経年変化を観察するため、東大阪の工場街にある弊社倉庫でしばらくの間、放置することにしました。
ゆっくりとエイジングしていく様子を月に1回程度、定期的に観察して報告致します。


対照的な二つの実験結果

開梱から10か月。今回は「水分の保持」に焦点を当てた、2つのアプローチの経過報告です。
1つ目は、これまで錆びを育ててきた面にペーパーウエスを貼り付け、たっぷりと塩水をスプレーして放置した結果。こちらはさらに腐食が進行し、錆び自体に力強い凹凸がつきました。まさに「立派な錆び」への成長を感じさせる質感です。また、他の箇所でも以前からの錆びがじわじわと色濃く、範囲を広げているのが確認できました。
2つ目は、新たな試みとして乾きにくい布を、まだ錆びのない面に貼り付けてみた結果。こちらは縁の部分だけ少し錆びが見られただけで、平面部分には期待したほどの変化は見られませんでした。

「理想のグラデーション」への壁

今のところ、目標としている「濃淡の美しいグラデーション錆び」にはほど遠く、どうしても斑点状のまだら模様になってしまっています。理想のグラデーションは、濃い錆びの成分が水分に溶け出し、重力に従ってゆっくりと流れることで生まれるもの。それには、雨風や直射日光といった「自然の力」が不可欠なのかもしれません。幸い、弊社の倉庫前は車の修理工場。常に鉄粉や溶剤の微粒子が舞っている、いわば「錆びの育成」には絶好の(?)環境です。今後は思い切って「完全な雨ざらし」にしてみて、その変化を追ってみたいと思います。

鉄と遊ぶ、贅沢な時間

現代の精製技術は、鉄から不純物を極限まで取り除くことを可能にしました。しかし、純度が高まった鉄は非常に反応性が高く、水や酸素に触れればすぐに錆びようとします。それを防いでいるのが、進化し続ける表面処理のコーティング技術です。

弊社のプランタースタンドも、薄いクリアコーティングが施されているため、最初は錆びにくい性質を持っています。ですが、一度そのバリアが破られれば、そこから一気に腐食が進んでいく——。鉄はもともと地球が生み出した産物。時を経て錆びていくのは、鉄が本来の「自然な状態」に戻ろうとする営みそのものなのかもしれません。そんな鉄の性質を愛で、対話しながら楽しむ実験は、まだまだ続きます。