【錆び観察レポート】完結・総集編!
1年超で錆びはどこまで育ったのか?

2025年夏前からスタートした「プランタースタンド錆び観察レポート」。
東大阪の工場街にある弊社倉庫にプランタースタンドを置いて、その変化を観察し続けてきました。
そして、開始から1年超(14ヶ月)が経過した今回、いよいよ【最終回】を迎えます。
これまでを振り返りながら、鉄がどのように変化していったのかを、総集編としてお届けします!
企画の趣旨
鉄そのものの質感を味わい、時とともにエイジングの過程も楽しめるというコンセプトで開発したプランタースタンドですが、実際どれぐらい錆びるのかを見るため、社内で実験をしていました。今回は、これまでの試行錯誤の結果をダイジェストで振り返りつつ、最終的な考察をまとめます。
「錆び育」ダイジェスト
【初期:1〜3ヶ月目】変化は、ほとんど見られず
ボックス部分(軟鋼)には、薄いクリアコーティングがされていることもあり、屋内に置いておくだけではほとんど変化は見られませんでした。一方で、脚部(中炭素鉄)開梱直後からわずかな初期錆びがあり、部位によって錆びの進行に違いがあることがわかりました。
【中期:4〜7ヶ月目】塩水噴霧実験と「理想の錆び」への挑戦
自然に任せるだけでは変化がゆっくりだったため、水道水と塩水(海水を想定した3.5%濃度の塩水)を吹きかける実験を開始。塩分をかけた箇所からぽつぽつと赤茶色の錆びが発生しました。さらに「単に錆びさせるだけでなく、美しいグラデーション錆びを作りたい」と、ペーパーウエスを使った保水実験など試行錯誤が始まりました。
【後期:8〜10ヶ月目】錆びの濃淡を人工的に作るのは限界と感じる
布やウエスで塩水を保持してじっくり腐食を進めることで、錆びに力強い凹凸や質感が生まれました。しかし、目指す「流れるような美しいグラデーション」を作るには、人工的な塩水スプレーだけでは限界があり、雨風や直射日光などの「自然の力」が必要ではないかと、置いておく環境を変えることにしました。
【終盤:11〜14ヶ月目】屋外完全放置を経て
最後は屋外に設置し、完全な「雨ざらし」へ。近隣の自動車修理工場から鉄粉や研磨粉が舞い散る、まさに「錆びの実験場」としては好条件(?)な環境に置いた結果、脚部はほぼ全体が味のある錆びで覆われ、ボックスも塩水をかけた部分を中心にダイナミックな腐食が広がりました。
そして直近の14ヶ月目は、大きな変化もなく錆びが少し濃くなった程度。残念ながら理想のグラデーションにはならず、ここで14ヶ月の観察を終了することにしました。




観察レポートを通して分かったこと
- 意外と錆びない:塩水が常にかかる状況でない限り屋根のある場所なら錆びの進行は非常にゆっくりです。
- 一度、錆びが発生するとどんどん広がる:錆びが一カ所発生すると、そこからどんどん濃くなり広がっていきます。錆びが水分を溜め込んで境界の金属から電子を奪い、周囲のバリアを破壊しながら侵食を早めるためです。また、錆びた部分から飛んだ粉が近くに付着し、そこから周囲を腐食させていく「もらい錆び」も、伝染して広がるように見える要因です。
- 「自然に戻ろうとする営み」を楽しむ:見た目には「劣化」に見える錆びですが、鉄が自然環境の中で変化していく過程でもあります。今回の観察を通して、錆びは単なる劣化ではなく、時間と環境によって少しずつ表情を変えていく、鉄ならではの魅力でもあると感じました。

最後に
「どうすれば綺麗に錆びるか?」と鉄の成長を愛でる、贅沢で珍しい時間を過ごすことができました。この「錆び育」レポートを楽しみにしてくださった読者の皆様、長らくお付き合いいただき本当にありがとうございました!
今回の観察で得られた素材についての知識や、実際の環境下での変化の記録は、今後の自社製品の開発や、お客様へのご案内にも活かしてまいります。14ヶ月にわたる「錆び観察レポート」は、今回で完結です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

