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アルミライトに疑似塩水噴霧試験を行いました

2025.07.24

腐食を促進させてみました

アルミ素材は表面に自然に形成される酸化被膜によって保護されており、通常は錆びにくい特性を持っています。しかし、製品が様々な状況下で使われることを想定し、あえて錆びを誘発させてその変化を検証してみました。

塩水噴霧試験は、海岸地域など塩害による腐食を確認するために用いられる代表的な腐食促進方法です。当社には本格的な装置はありませんが、海水と同じ濃度にした水をスプレーでかけ、簡易的な疑似塩水噴霧試験を行いました。

錆びの多様な表情

写真は塩水をスプレーでかけた後、1日放置し拭き取ってから約3年が経過したアルミライトです。

全体的にいぶし銀のような濃い灰色へと変化し、まだらな濃淡がついています。一部の箇所では白錆(しろさび)が浮き出ており、また内部の連結部品は鉄製のため、そこには赤錆(あかさび)が発生していました。
アルミは錆びにくいとはいえ、過酷な環境下ではこのように独特の表情を見せることが分かります。

新品のアルミライトは軽やかな質感と艶が魅力ですが、腐食が進んだ表情もまた趣(おもむき)があって引き込まれます。

錆びは「味」か「汚い」か?その境界線を探る

ヴィンテージ品には「味」があって魅力的に感じるものと、なんだか古ぼけて「汚い」と感じるものがありますよね。見る人によって感じ方は異なり、表裏一体で非常に微妙なものです。一体何がこの違いを分けるのか、考察してみました。

錆びが「味」となるのは、時間をかけて形成された独特の色合いと質感が唯一無二の表情となり、何らかのストーリーや歴史を感じさせる場合です。例えば、古い納屋の屋根や廃線となった鉄道のレールに付いた錆びは、その場所が歩んできた歴史を物語り、自然が作り出すアートとして感傷的な美しさを感じます。
一方、錆びが「汚い」と感じられるのは、放置されたことによる機能の低下や、不潔感と結びつく場合です。包丁や工具が錆びて切れ味が悪くなったり、自転車のチェーンが錆びて動かなくなったりすると、それは単なる劣化であり不快に感じられます。また、水回りのカビや汚れと一緒に発生した錆びなどは、多くの人にとって「汚い」と感じられる典型的な例と言えるでしょう。

まとめ:アルミライトの「味」と「気楽さ」

弊社のアルミライトは、時々乾拭きしていただければ、経年劣化は少なく綺麗な状態を保つことができます。しかし、たとえある程度放置されたとしても、数年で全体が錆びて劣化する可能性は低いと考えられます(使用する環境にもよります)。メンテナンスをあまり気にせず、もし錆びが出てもそれが「味」となって楽しめる、そんな気楽な商品として長くご愛用いただければ幸いです。